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「学力向上」 [学校]

 北海道通信の教育版を読むと、北海道教育委員会は「学力向上」をテーマに色々方策をしているそうだ。

 ここでの「学力向上」とは、文部科学省の「全国学力テスト」で平均点並を得ることを言うらしい。任意のはずのテストが、札幌以外の地域では、事実上の強制となっている。
 昨日の報道では、釧路市教育委員会が、「全国平均点以上の得点」を全校で目指すと、夏・冬休み中の補習を行うという。同様な試みは道内各地あちこちで行われそうだ。
 札幌以外というのは、札幌は政令指定都市なので、札幌市教育委員会は北海道教育委員会とはいわば独立な行政を行っているからだ。札幌市では、全国学力テストは抽出校で行っている。
 しかし、教育委員会の皆さんが、「全国学力テスト」での平均や順位にこだわるのは、行政の結果主義からしたらそうなのかも知れないが、あまりにも教育的ではない。同じように全県が取り組めば平均点は上がるので、さらに上、上とテスト勉強が果てしなく続くことになる。加えて、「うちの子は点数が取れないので」とテスト時は「町や学校に迷惑になるから」と欠席させる保護者も出てきているという。過去に行われた「全国学テ」が破綻したのは、その上を行って、平均点を上げるために、教師が点数の取れない生徒を休ませる、試験中に誤答を指先でなにげに指摘する、挙げ句の果ては背中に正解の紙を張って巡視する、などの例が続出したからだ。
 過去の過ちを理解せず、点数主義に陥るなら、教育はさらに悪い結果になることは間違いないのだ。
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