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消えた乱数さい [学校]

 白衣の右ポケットにいつも入れているもの。それが2個の乱数さいだ。

 乱数さいとは、正20面体のさいころで、0から9までの数字が2個ずつ各面に記されている。3色あるのだが、2色を使えば、00~99までの適当な乱数を得ることが出来る。
 何に使うのかと言えば、生徒に当てるときだ。中学校では、出席番号は男子は01~19、女子は31~49の範囲で普通は収まるから、赤を十の位、青を一の位とするなら、赤の数字が5以上の時、5を引けば良い。たとえば、51となれば01と読み替え、83となれば33と読み替えればよい。これで当たる確率は均等になる。
 ただ、使うのは滅多にない。大体が発表は挙手させるからだ。挙手がゼロというのはあまりない。だが、全く出ないときは、このさいころを使うことを宣言して考えさせる。当たったら分からないと言う言い訳は許さない。黒板の前で出来るまで考えさせるのだ。とは言っても、ほとんど手助けするのだが。
 
 その2個の乱数さいが、ポケットの中に無い。どこかにしまったか、考えても覚えがない。
 気がついたのは金曜日の午前中だが、帰りまで分からなかった。
 帰り際、ふと教頭の横の机を見ると、その上に乗っているではないか。考えたら、朝出勤簿を押した際に、ポケットに入れた印鑑と共にさいころも取り出したものらしい。印鑑はポケットにしまったが、さいころは机の上にそのままになってしまったようだ。
 何かをなくす時とは、こんなものなのかもしれない。
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