SSブログ

ある許可証 [雑感]

 古い写真の束の中に「許可証」なるものがあった。

 高校が発行したものだが、1項目に種別があって、1.下宿 2.昼食帰宅 3.車通学 4.校外団体加入 5.其の他 があり、わたしのものは「5.其の他(遅刻)」となっている。
 2項目目が事由で「石北線通学のため」とある。高校1年の途中から、転居のために愛別町に移り、高校のある旭川まで30キロほどを列車で通学していたのだ。1時間に1本しか列車がないので、雪などで列車が遅れると遅刻になってしまう。それで高校の方は、列車の遅れによる遅刻は、出席簿上遅刻とカウントしないよう、許可証を出していたのだ。石北線で通う生徒は100人くらいいたから、列車が遅れるとみんなまとめて遅れて学校に来ることになるので、特に理由も聞かれたことはない。(ちなみに、当時は「週番」と言う制度があって、腕章を腕に巻いた学生が、遅刻を取り締まっていた。)1973年から3年間だから、当時は国労や動労のストライキも結構あった。ちなみに石北線とは旭川市と北見市・網走市を結ぶ路線で、うっかりぐっすり眠り込むと234キロ離れた網走まで運ばれることとなる。そこまで寝込んだことは無いが、愛別駅で寝過ごして、次の駅まで行ってしまったことは2度ほどある。帰りの列車は2時間後なので、家までは7キロくらいだったから、真っ暗な国道を歩いて帰った。
 許可証には、担任印と、学校の係印が押してある。担任の先生の名前が懐かしい。勤め始めた頃だから、30年以上前の話になるが、あるとき先輩の先生と飲みに行ったら、店に高校時代に英語を習った先生がいた。声をかけるのにためらっていたら、先輩が話をしてくれて、3人で飲んだ。担任の先生の話をしたら、首を吊って自殺をしたのだという。女生徒と何かあったそうだ。
 今でも高校ではこんな許可証を出しているのだろうか? 遠距離通学生は減ったと思えないが。かつて愛別町にも高校があり弟は通っていたが、すでに廃校になった。北海道の地方での学校事情はどんどん悪くなっているのだ。
nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。