暴風雪

　職場を出るときは、雪がちらつく程度だったが、自宅に近づくにつれ、風が強くなってきた。

　年賀状を頼まれていたので、郵便局の駐車場に車を入れると、右方向からドアを開けるのを押し戻すように強い風が吹いている。
　年賀状を買って戻ってみると、たった数分の間なのに、右側ドアのガラスに雪が着いて中から外が見えない。スノーブラシで落として、駐車場を出る。
　強風と雪で、どこが車道との境か分からない。左折するのだが、他車の接近を知るのは、フロントライトの明かりだけだ。前の車もリアライトしか見えない。自分の車のフォッグランプとリアフォッグライトをつけて、衝突防止に備える。
　車の中も、ドアを開けて湿った空気が入ったので、窓が曇って前が見づらい。窓ガラス向けのファンを全回転させて運転する。
　これほど前方視界不良なのは久しぶりだ。５ｍ先も見えない。衝突を避けるのに、１０キロ前後で走行する。本当ならどこかで停車して、風が止むのを待つべきだが、家まで後ほんの数分なのだ。
　自宅に近づいても、右折する場所が分からない。街路灯の下まで来て何とか分かる程度。
　家の前には、かなり明るい街灯があるので、何とか駐車場入れが出来た。それでも、窓が曇ってよく見えないので、半分勘だ。
　家に入るときに、かなり重い玄関のドアが強風に吹かれて１８０度まで開いて揺れて止まった。壊れるかと思った。
　今晩は、市内で衝突事故が多いことだろう。