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松江市で「はだしのゲン」閲覧制限 [学校]

 報道によると、昨年12月から小・中の学校図書館で、「はだしのゲン」が閲覧制限となっているという。

 教育委員会の判断と、校長会の指示で、閉架図書とされ、生徒は事実上閲覧も貸し出しも受けることができない。

 以下、朝日新聞(2013年8月17日)からの引用

 はだしのゲンをめぐっては昨年8月、「ありもしない日本軍の蛮行が描かれており、子どもたちに間違った歴史認識を植え付ける」として、小中学校からの作品の撤去を求める陳情が市民から市議会にあった。
 12月の市議会教育民生委員会で審査した結果、「議会が判断することには疑問がある」と全会一致で不採択になった。複数の委員から「大変過激な文章や絵があり、教育委員会の判断で適切な処置をするべきだ」との意見が出たため、市教委があらためて協議し、閉架を決めたという。
 市教委の古川康徳副教育長は「作品自体の価値は高いので撤去するつもりはないが、子どもたちが自由に読むには配慮しなければならない部分がある」と説明している。(引用ここまで)

 これは、「図書館戦争」だな、と思った。
 「はだしのゲン」は、中沢さんが子供たちのために描いた漫画で、図書館にあるのに子供に見せないというのは、松江市の市教委関係の大人の政治的な判断で、検閲にあたる。だって、他の公立図書館では読めるのだし、本屋さんで買うこともできるのだから。もっと言えば、他の市町村の図書館(学校図書館を含め)でそんな制限をしているところは無い。

 もう一回憲法を読み直してもらうとともに、ついでに「図書館の自由に関する宣言」も読んでいただきたいものだ。学校とは民主主義を教える場所なのだから。

 憲法第21条 集会、結社および言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
       ②  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 「宣言」第4 図書館はすべての検閲に反対する。
 1 検閲は、権力が国民の思想・言論の自由を抑圧する手段として常用してきたものであって、国民の知る自由を基盤とする民主主義とは相容れない。
   検閲が、図書館における資料収集を事前に制約し、さらに、収集した資料の書架からの撤去、廃棄に及ぶことは、内外の苦渋に満ちた歴史と経験により明らかである。
   したがって、図書館はすべての検閲に反対する。
 2 検閲と同様の結果をもたらすものとして、個人・組織・団体からの圧力や干渉がある。図書館はこれらの思想・言論の抑圧に対しても反対する。
 3 それらの抑圧は、図書館における自己規制を生みやすい。しかし図書館は、そうした自己規制におちいること無く、国民の知る自由を守る。

 図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る
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