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義務制での留年 [学校]

 橋下市長が、小・中での留年について検討せよと、教育委員会に指示したという。

 留年させることは簡単にできる。学校教育法施行規則では、課程の修了、卒業についてそれぞれ平素の成績を評価してこれを定めなければならない、としているから、「原級留置」は学校判断でできる。
 実際、各小・中学校では、年度変わりの前毎に、「進級認定会議」「卒業認定会議」を行い、学校長がそれぞれ判断している。
 問題は、学校教育法が、保護者が義務教育を受けさせる義務を満15歳までと定めているので、一度留年すると、15歳になった段階で、義務喪失となることだ。普通の解釈では、権利も消滅する。従って、義務教育修了ができない。となると、高校入学資格がないので、受験もできない。高等学校への道が閉ざされるのだ。
 唯一、文部科学省が実施する「中学校卒業程度認定試験」に合格すれば、高校入学資格を得ることができる。が、どのくらい、受験者がいるのかは知らない。
 従って、教室へは不登校であっても、「心の教室」登校、校外の相談所、あるいは民間の施設などに通っている場合は、それを授業日数にカウントしても良いようになってきた。
 だが、基本として、義務制では全く登校も何もしなくても卒業できるというのは誤解で、学校も保護者、本人もそれなりに努力しなければ卒業認定は難しいのだ。

 どうも橋下さんという方は、六法全書は暗記していても、生活の実態には関心がないようだ。何をどう変えたいのかという意志や思想があまり見えない。既成事実を壊して、自由競争を導入したら、全てがうまく行くような理念しか伺えない。弁護士でかつ政治家なら、もう少し現実を見る努力が必要だとわたしは思うが。
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