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『チューリングを読む』を読む [雑感]

 思わず買ってしまう本が最近は少ない。

 本屋に行っても、一応平積みにされた新刊は見るが、ほとんど立ち読みすらしない。
 10年くらい前か、老視が進んだのか立ち読みが困難になって、本屋に行く回数も減った。いったん習慣が途絶えると前のような欲求がわかなくなるようだ。教科書の数式の指数の数字がよく見えないようになって、これではまずいと、遠近両用のメガネに変えた。慣れるのにしばらくかかったが、本を読むこと自体はそれほど苦痛ではなくなった。
 本屋に行っても全ての棚を見るわけではなく、やはり数学書の所へ行ってしまう。そんなに頻繁には行っていないが、結構新刊も多いように感じる。

 『チューリングを読む』は思わず買ってしまった本だ。
 これは、イギリスの数学者 Alan Turing (1912-1954)の有名な論文「計算可能数とその決定問題への応用」の解説本なのだ。内容を簡単に言うと、今ではチューリングマシーンと呼ばれるいわば現代のコンピューターの数学的・基礎的モデルを仮定し、これによって機械によって出来ることと出来ないことを証明したものだ。
 最後まで読むことができるかどうか。ゲーデルの不完全性定理の論文を踏襲してか、中に、(旧)ドイツ文字の大文字が出てくるので、はなはだ読みづらい。CとEの違いは旧字体でよく見なければ分からないひげが一本出ているだけだし、AもUにそっくりだ。
 今年は無理そうな気がする。でも、あと5年で定年だし、生きていればまだ機会はある。
 人間の知性とはどこまで行き着けるものなのか、それへの好奇心はまだつきない。
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