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中央図書館へ [雑感]

 久しぶりに札幌市中央図書館へ行ってきた。

 インターネットの検索で、「エロシェンコ全集」(全三巻 1959)が所蔵されていることを知り、借りてきたのだ。
 エロシェンコとは、大正期のロシア出身の盲目の国際共通語のエスペランティスト(Esperantisto)で、あんまを習いに日本に来て、通算4年間いたそうだ。バラライカやバイオリンもよくし、知識人との交流も多かった。中村彝(つね)が画いた「エロシェンコ氏の像(1920)」(重要文化財)は東京国立近代美術館に展示されている。私は10年以上前に見ることが出来たが、写真では分からない繊細な描線に驚いた。
 メーデーへの参加や、日本社会主義同盟大会に参加のため、社会主義思想の持ち主とされ、1921年警視庁に拘留され、国外追放される。その後、北京など各国で生活し、1952年故郷のウクライナで亡くなる。享年63歳。
 日本語での著作も多く、全集の第1巻は主に日本語による著作、第2巻は主にエスペラントからの翻訳集や書簡、第3巻は伝記などになっている。
 彼は語学に長けていて、講演もし、童話も多数書いたが、本質的には詩人だったのだろう。

 (全集第2巻より)

 わたしは心に

 わたしは心に火を燃やした
 どんな暴力もそれを消すことは出来ない
 わたしは胸に焔を燃やした
 死とてもそれを消すことは出来ない

 わたしがこの世に生きる限り 火は燃えつづけるだろう
 天地がこの世にある限り 焔は燃えつづけるだろう
 火は その名を人類への愛といい
 焔は その名を自由への愛という

 中央図書館は南23条西12丁目にあり、そこには以前北海道教育大学札幌分校があった。今の図書館がある場所は、前は教育大附属小中学校だった。裏が昔のグランドで、今は、図書館の裏の所が芝生となり、奥には中学校が建っている。わたしは校舎に隣接する学生寮に暮らしていたので、この地域が生活の拠点だった。その場所は今はマンションになっている。今行っても、懐かしさが伴うが、多くの店は変わってしまった。
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