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『アンネの日記』冒頭 [雑感]

 アンネ・フランク著『アンネの日記』の冒頭は、次の文章から始まる。

 「あなたになら、これまでだれにも打ち明けられなかったことを、なにもかもお話しできそうです。どうかわたしのために、大きな心の支えと慰めになって下さいね。1942年6月12日 アンネ・フランク」(深町眞理子訳 1994)

 以前、エスペラント訳を買って、この冒頭の部分を呼んだときに、違和感を感じた。

"Al vi, mi esperas, mi povos konfidi ĉiaĵojn, kiel ĝis nun al neniu mi povis, kaj mi esperas, ke vi estos por mi granda apogado."(trad. Nora Bartels 1995)
 (「あなたに、私は希望します、これまでだれにも出来なかった、すべてのことを打ち明けられることを、そして、私の強い支えとなってくれることを。」)

 「慰め」と言う言葉が無い。誤訳なのかなと思って英訳を見てみた。

"I hope I shall be able to confide in you completely, as I have never been able to do in anyone before, and I hope that you will be a great support and comfort to me."(trad. Eleanor Roosevelt 1993)
 ここでは"comfort"と言う言葉が出てくる。

 白黒をつけるには、原文に当たるしか無い。しかし、オランダ語の本を取り寄せるのは大儀だ。
 幸い、この冒頭部分は、写真製版で、大体どの本にも載っている。本人の直筆だ。
 だが、拡大しても、よく分からないのだ。そもそも、13歳の女の子が書いた筆記体の日記だ。tの字の横棒がほとんど書いていない。nだかuだかもよく分からない。オランダ語を知っていれば類推が働くのだろうが、半ば『蘭学事始』の杉田玄白になったような気持ちで、グーグル翻訳を使いながら本人の筆跡を解読した。2,3どうしても不確かな点はあるが、機械翻訳が使えるのは、江戸時代とは格段の違いだ!
 それで、一応の結果が下記の通り。

"Ik zal hoop ik gun jou alles kunnen toevertrouwen, kan ik het noy aan nitmand gek und hab, en ik hoop dat ji een grote steun aan mie zult zijn. Anne Frank 12 Juni 1942"

 これをグーグル翻訳で英訳してみると、
"I hoped I can confide in everything to you, I can never give it to anyone and I hope that you will be a great support to me . Anne Frank 12 June 1942"

 グーグル翻訳で和訳は、
 「私はあなたにすべてを打ち明けることができることを願っています、私は誰にもそれを与えることは決してできません、そしてあなたが私に素晴らしいサポートになることを願っています。アンネ・フランク1942年6月12日」
接続詞がおかしいが、筆記体の読み取りが悪いのだろう。

 しかし「慰め」という単語は含まれていなさそうだ。これが、意訳というものだろうか? あるいはオランダ語の持つ特性だろうか。それでは、エスペラント訳に出てこないのが気になる。
 ともあれ、私が出来るのはここまで。すこし、すっきりした。

 オランダ語ができる方がいらっしゃれば、訂正をしていただけると、助かります。下のコメント欄に誰でも書けます。(デタラメは困るので、当方の判断で削除する場合があります。)
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