「，。」「、。」「，．」

　「，。」「、。」「,　.」の意味が分かるだろうか。

　日本語の横書き表記の場合、句読点の表示は文書、書物によって大体この3つに分かれる。
　縦書きと同じ、左から2番目の、「、。」（テンとマル）で良いと思うのだが、実際の書物、文書では、この3つが混在している。
　そもそもが、（コンマとマル）を推奨したのが、昭和27年文化庁が出した「公用文作成の要領」で、意図は分からない。その後の経緯を調べると、共同通信社が昭和31年の「記者ハンドブック」で（テンとマル）とし各新聞社もそれに従ったという。さらに、昭和34年には自治省も「左書き文書の作成要領」によって（テンとマル）を基準とした。札幌市教育委員会でも、「手引き等の作成に関わる表記の基本原則」（平成29年9月14日改訂）では、
　句点　「。」（マル）
　読点　縦書き・横書きともに「、」（テン）
としている。

　ところが、数学の教科書・ワークは、すべて「，。」（コンマとマル）なのだ。
　（ちなみに岩波新書を見ると、横書きはすべて「,　.」（コンマとピリオド）となっている。）
　これにならって、数学のテストもすべて「，。」でなければならないと主張する方とご一緒に仕事をしたことがあるが、反論してもただ時間の無駄なので、ワープロの設定を変えて対応した。
　昭和27年の亡霊を早く廃して、教科書の方を何とかしてくれないだろうか？