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「30年で大地震の確率87%」とは [雑感]

 これを、87÷30÷12=0.24 一月あたりの確率は0.24%だから、大したことがないと主張する方がいるという。

 「30年間で大地震の確率87%」とは、30年経ってみないとその検証は出来ない。
 この際の、1ヶ月毎の確率を求めようとは、その地震学的根拠から考えないと出来ない相談なのだ。数学的な問題ではない。何かの分布に従って地震が起きるのなら、地震学などいらない。

 地震が起きやすい地域と、比較的起きづらい地域がある。その差を数字的に表そうとすると、学問的な根拠と共に統計的な手法に頼らざるを得ない。1ヶ月後はどうなのだ、という質問は意味を持たない。
 だから、この場合は、30年間の総合的なリスクを考えて、対応策を考えなければならない。

 癌になる確率は、生涯にわたって50%だと言う。(国立ガンセンターによる。)
 これは、明日癌になることは意味しない。だが、生涯の半数の日時を考えると、明日癌になることもあるのだ。
 これを、平均寿命80歳として、50÷80÷12=0.05% だから、一月後に癌になる確率は0.05%に過ぎないのだから、ガン保険も生命保険も必要ないと、主張される方がいたら、確率のことなど何も分かっていない御仁と言わざるを得ない。

 明日の降水確率85%と報道されたら、多くの人はまだ雨が降っていなくとも、傘を用意するだろう。
 それを、「24時間で割れば3.5%だから、1時間毎に雨が降る確率はたかだかそれくらいに過ぎない」と主張されている人がいたら、あなたは勝手に雨に打たれなさい、と言うしかない。だが、他の人を巻き添えにしないで欲しい。
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shira

 え〜文系の私としてはですね、そういうアホウな割り算をするのは文系人間の悪いクセじゃないかと思うんですね。だって自然界にとって30年なんて一瞬以下の短時間なんですから、そこでコトが発生するかどうかは完全にお天道様のご機嫌次第なわけで。だからとにかく「相当危険らしい」と素直に受け止めるのが正しいでしょうに。
by shira (2011-05-14 21:16) 

nobu

こちらでははじめまして。
30年での大地震の確立が87%ということは地震が起こらない確率が13%ということですから13÷30÷12=0.036、ひと月あたりの起こらない確率は0.1%にも満たないので毎日地震に怯えながら生活しなければならない、と主張する人はいませんよね。
by nobu (2011-05-15 08:12) 

tyuuri

>shiraさん、それなりに世論に影響力のある方が、このような発言をされて、それを厳しく批判されないのが、不思議です。学者とは、こういう時に本領を発揮すべきだと思うのですが。
>nobuさん、コメントありがとうございます。数字遊びは、自分の都合の良い方へ(悪い事は隠す方へ)いくらでも出来るんですね。学問とは無縁です。
>あおいソラのしたさん、ナイスありがとうございます。
>HIROMIさん、ナイスありがとうございます。
by tyuuri (2011-05-15 13:24) 

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