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「知床遊覧船」・不法無線使用の疑い [雑感]

 北海道新聞社への投稿

 4月28日朝刊の記事中では、「無線のアンテナ」と書いてありますが、朝日新聞の記事では「その後、自社の事務所に戻った男性はカズワンと連絡を取るためアマチュア無線の電源を入れ、やりとりを始めた。」(4月27日電子版)とあります。この「無線のアンテナ」とは、アマチュア無線のアンテナでは無いでしょうか。電波法では、アマチュア無線を「業務」で使うことを禁止しています。この点の確認をお願いします。仮に、あくまで個人な趣味として使っていたとしても、各人は「無線従事者免許証」の所持、そして各局には「無線局免許状」が必要です。
なお、衛星携帯電話は旧型の(大きめの)携帯電話のようなものであのような屋外アンテナは必要ありません。「マリンVHF機器」の可能性もありますが、上記朝日新聞の記事からは、知床観光船の多くがアマチュア無線を不法に運用していた可能性の方が高いと思います。


 5月12日
 時事通信社の報道より 以下引用

 アマ無線使用「違反疑い確認」 総合通信局、カズワン運航会社を調査―知床観光船
 2022年05月12日20時42分斜里町

 北海道・知床半島沖で沈没した観光船「KAZU I(カズワン)」の運航会社「知床遊覧船」(斜里町)が、業務での使用が認められていないアマチュア無線を使っていた問題で、北海道総合通信局は12日、同社への聞き取り調査を実施した。調査後に取材に応じた同局の山田誠哉無線通信部長は「アマチュア無線で違反の疑いがあると、ある程度確認できた」と語った。

 運航会社、アマ無線使用 業務では認められず―知床事故

 同局によると、調査に対応した社員は「アマチュア無線を船と事務所の定点報告で利用していた」と説明。事務所内で無線の免許状は見つからず、誰が無線機を設置したのかも明らかにならなかったという。調査時に桂田精一社長は不在で、山田氏は「社長から改めて正式な報告が必要だ」と述べた。
 電波法は、緊急時を除き、業務でのアマチュア無線の使用を禁じている。同局は今後も使用状況の実態把握を進め、違反が確認されれば行政処分を検討する。
 総合通信局は11日、斜里町ウトロ地区にある別の観光船業者2社の聞き取り調査を実施したが、違反は確認されていなかった。 引用ここまで
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田中 裕二

他の報道、また総務省の検索で業務用としての登録が見当たらないことから、アマチュア無線を通常的に使用してたものと思われます。
by 田中 裕二 (2022-04-28 13:10) 

tyuuri

 田中さん、コメントをありがとうございます。
 この件については、日刊スポーツが、4月27日に「アマチュア無線で状況を知った別会社から118番通報がされたが、総務省の規定では、アマチュア無線は業務に関連する使用を認めていない」と報道しています。従って、私も、アマチュア無線の不法運用を疑ったのですが、若い新聞記者はアマチュア無線と海上無線の区別も分からないのでしょう。
by tyuuri (2022-04-28 20:58) 

tyuuri

 hamlife.jp電子版(4月28日)より引用
 (結論から)
★「アマチュア無線使用」の違和感
 最も解明が求められているのは、この日に同業他社のスタッフと「KAZUⅠ」の交信に使われたのは“本当にアマチュア無線だったのか?”という点だ。本当だった場合、なぜ仕事の連絡には使えないアマチュア無線を用いたのだろうか。新聞やテレビも深掘りしていないようだが、大きな疑問がある(スタッフと「KAZUⅠ」の船長が日頃から仲の良い“アマチュア無線友達”だったのかもしれないが…)。
 簡易無線の場合、交信できるのは“免許人所属の簡易無線局”に限られ、会社を超えた交信(同業他社の事務所~「KAZUⅠ」間など)は難しい。交信可能エリアも狭いことから、手軽で高性能なアマチュア無線が使われたのだろうか。
 ちなみに、この同業他社のスタッフが所属する会社(法人名)を無線局等情報検索で調査したところ、簡易無線局の免許はヒットせず、保有船舶のうち1隻の船舶局免許(27MHz帯A3Eで3波、空中線電力:1W、通信の相手方:免許人又は免許人加入団体所属の海岸局)と船舶用レーダーの免許のみがヒットした。すなわち23日に「KAZUⅠ」との最後の無線交信に使われたのは467MHz帯のデジタル簡易無線ではなかったことになる。
「KAZUⅠ」と最後に交信したとされる同業他社の法人名を無線局等情報検索で調べたところ、ヒットしたのは保有船舶1隻の免許情報のみだった。467MHz帯のデジタル簡易無線は免許されていないようだ。
 当然だが、アマチュア無線を仕事の連絡に使うことはできない(違反した場合は電波法により1年以下の懲役または100万円以下の罰金となる)。アマチュア無線機を搭載すること自体は禁止されていないため、船長が余暇に個人的な無線交信を楽しむために搭載していたのか? 有限会社知床遊覧船とその従業員、「KAZUⅠ」の船長と乗組員、交信した同業他社のスタッフといった関係者の無線従事者資格や無線局免許の有無も気になる(無線局等情報検索でもそれらしきアマチュア局、社団局は確認できなかった)。ここは総務省 北海道総合通信局による調査が待たれる重要なポイントだ。
 総務省も「アマチュア無線は仕事に使えません」「免許を持っていても電波法違反です」と周知に努めているが…

 Twitterでは、かつて知床の観光船で学生アルバイトの経験があるという人物が「あそこには大小様々な観光船の会社があって、今回事故を起こしてしまったのは小型船のうちの一社です」「他社の船どうしで無線連絡を取り合い、ヒグマの出没状況や海上の時化具合などを踏まえて運航するのが知床の観光船なので、今回の事故最大の要因は、天気が悪いのにたった一隻で出港してしまったのがいけなかったと思います」と述べている。こうした観光船業者間の運航情報の交換用として、日常的にアマチュア無線が使われていたとすれば大きな問題だろう。

★アマチュア無線使用の「違法性」に触れたメディアは?
 今回の遭難事故に関連して、さまざまなテレビや新聞が「アマチュア無線で交信」と紹介しているが、アマチュア無線を業務使用すると法律違反になると言及しているのは、hamlife.jpで確認した限り「日刊スポーツ」の下記記事のみだった。

【知床観光船事故】無線は義務化なし、携帯等は自社判断 通報されたアマチュア無線は認められず
“国土交通省海事局安全政策課によると、旅客船舶には無線設備を設置することは義務化されていないが、非常時に通信可能な携帯電話、もしくは衛星電話を用いることは運航会社それぞれの判断にゆだねるとしている。事故当日は、アマチュア無線で状況を知った別会社から118番通報がされたが、総務省の規定では、アマチュア無線は業務に関連する使用を認めていない。”(日刊スポーツ 4月27日配信より一部抜粋)

 なお、船舶の遭難など人命に関わる事態に直面した場合は、電波法に基づく「非常通信」「遭難通信」「緊急通信」などとして無線局免許状の範囲(無線局の目的、通信の相手方、通信事項等)を超えた通信が認められている。今回のケースの場合、「KAZUⅠ」と同業他社のスタッフが行った交信自体は(アマチュア無線であったとしても)これに該当するという見方もある。

 今回の観光船事故について、一刻も早い全員の救助を願うとともに、亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈りいたします。(hamlife.jp)
by tyuuri (2022-04-29 11:49) 

tyuuri

 4月29日午後TV放送において
 「アマチュア無線なら通じるかもしれないと、カズワン豊田さん、と呼びかけたら返事があった」と、同業他社のスタッフが取材者に話をしていた。
 アマチュア無線家なら、このような呼びかけは、まずしない。必ずコールサインを呼ぶ。普段から、他社の船どうしで、違法なアマチュア無線運用をしていたことを示唆する証言である。
by tyuuri (2022-04-29 17:05) 

田中 裕二

コールサインで呼び出してなければ、そもそもアマチュア無線の免許を持っていたかどうかも怪しい。

アマチュア無線なら聞いている人間もいるし、そもそも通信を扱う事業者であるマスコミや記者がこのことに気づかないはずがない。

記事にしないのは、それを書けばネタ元になっている知床の観光船業者から取材を受けられなくなるからだろう。

やるのであれば、観光船業者から一通りネタを集めた後か総務省が動き出した頃では?
by 田中 裕二 (2022-04-30 01:31) 

tyuuri

 田中さん、コメントをありがとうございます。
 ご指摘の通りで、各事業者はアマチュア無線の「無線従事者免許証」も「無線局免許状」も取得していない可能性が大だと思います。
 今回の事故を起こした「株式会社知床遊覧船」は「簡易無線局」の免許は持っていますが、467MHz帯65波5Wで、基本的には会社と船としか通信できません。他社が同じ免許と無線機を持っているとは限らないからです。かつ5Wでは会社から知床岬まで電波が届くか、怪しいものです。
 「知床観光船」協会加入の会社が、大きな出力を出せるアマチュア無線を不法に運用して、固定周波数にて連絡を取り合っていたことが容易に推測されます。
 5月9日から、営業を再開するようですが、こと通信に関わっては命に関わる重大な問題だと言うことがハッキリしていますから、北海道総合通信局による調査が必須だと思います。
by tyuuri (2022-04-30 06:26) 

tyuuri

 以下、2022/05/10 12:30 中日新聞の報道より

 「北海道・知床半島沖で観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した事故で、運航会社「知床遊覧船」(斜里町)が昨年6月、船舶安全法に違反しアマチュア無線を船との連絡手段にしていたとして、国土交通省から行政指導を受けていたことが10日、分かった。同社関係者によると、連絡手段としてアマチュア無線を日常的に使っていたという。海上運送法に基づく同社の安全管理規程では業務用無線を使うと届け出ており、ずさんな運航管理がさらに明らかとなった。
 同社は衛星電話の通信料が「高い」との理由から、アマチュア無線を使用することが多かったという。」
by tyuuri (2022-05-10 16:08) 

tyuuri

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https://www.hamlife.jp/2022/05/10/mainichi-shiretoko-kankousen-jiko/
by tyuuri (2022-05-10 16:12) 

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