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「知床観光船」遭難事件とアマチュア無線 [雑感]

 事務所の無線のアンテナが折れたままで、無線が使えなかったという。

 以下 朝日新聞の記事(4月27日朝刊)から引用

 北海道斜里町の知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU1(カズワン)」が行方不明になった事故で、同船と事故直前に無線でやりとりし、救助を要請する118番通報をした男性が朝日新聞の取材に応じた。切迫した声が聞こえてきて通報に至ったという。
 この男性は、カズワンの運航会社「知床遊覧船」と同じく斜里町内に事務所を置く同業他社の従業員。
 男性は事故直前の23日午後1時ごろ、知床遊覧船の事務所を訪問。帰港が遅れていたカズワンがいつごろ戻るのか尋ねたところ、事務所にいた人から「船長の携帯電話がつながらない」との返事があったという。
 その後、自社の事務所に戻った男性はカズワンと連絡を取るためアマチュア無線の電源を入れ、やりとりを始めた。すると数分後に「『カシュニの滝』辺りにいるが相当遅れる」とのカズワンからの音声が聞こえてきたという。当初は落ち着いた口調だったが、その10分ほど後に「救命胴衣、着させろ」と切羽詰まった様子の声が流れてきたという。
 心配になった男性が無線で状況を尋ねると「浸水していてエンジンが止まっている。沈むかもしれない」「船が傾いている」と返答があった。男性は午後1時13分、カズワンの救助を求める118番通報をした。
 男性は知床遊覧船の事務所にいた人に、無線でのやりとりの内容を伝えた。このとき事務所にいたのは、昨年まで甲板員として同社に勤めていた60代の元従業員。23日は手伝いに来ており、カズワンの出発前はツアー客に双眼鏡の使い方や救命胴衣の着方を教えるなどの対応をしていた。
 元従業員によると、無線でのやりとりの内容を聞いた後、知床遊覧船が運航する観光船「KAZU3(カズスリー)」で救助に向かおうとしたが、波が高く断念したという。元従業員は事故後の捜索活動に参加しており、「乗客全員の顔を見ている。自分が行かないわけにはいかない」と語った。(平岡春人、佐野楓)

 ■無線故障、受信できず 運航会社
 カズワンの事故で、運航会社「知床遊覧船」の事務所では無線を受信できない状態となっていたことが、会社関係者らへの取材でわかった。事務所の無線アンテナが事故前から折れていたという。
 関係者によると、会社側も国土交通省などの調査に、事故発生時に連絡手段がなく、詳しい状況は把握できなかったという趣旨の説明をしているという。
 海上保安庁もアンテナの状態を把握しており、会社側の対応に問題がなかったか調べる方針だ。
 救助を要請した男性や元従業員によると、事務所のアンテナは今冬ごろから折れていた。元従業員によると事故前日の22日、船長に無線を修理するように進言したものの、船長は「いまは携帯でいいから」などと答えていたという。 引用ここまで

 今の所、生存者は見つかっていないが、船長との最後の会話がアマチュア無線だったとは驚いた。いくら岸の近くなら所々は普通の携帯電話がつながるとは言っても、無線と衛星携帯電話を故障のまま放置したのは、重大な義務違反だろう。船だもの、波や風に流されて沖に行ってしまったらどう連絡を取るというのか。
 今日午後やっと、遊覧船会社の社長会見があると言うが、責任逃れに終始しそうな気がしてならない。そもそも、乗客に保険はかけていたのか?

 追記 保険は、乗員定員分かけていたそうだ。「無線」については、改めて記事を書きます。
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ハマコウ

報道に接するたびに辛く悲しくなります。
常に連絡が取れることが必要ですね。
by ハマコウ (2022-04-27 15:22) 

tyuuri

会見の中では、アマチュア無線の話は出ていなかったような気がします。
衛星携帯電話は以前から壊れていたという報道もあり、船長は普通の携帯電話が通じないときのために、アマチュア無線の設備を用意していたのでしょうか。仲間が、陸で無線を傍受したとのことなので、日常的に運用していたことも考えられます。アマチュア無線の本来業務ではありませんが。

by tyuuri (2022-04-27 20:17) 

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