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全国学力テスト [学校]

 文科省が、全国学力テストの都道府県別平均正答率を公表した。

 中学校3年生については、北海道は60.90。全国平均が62.25だから、1.35の差でしかない。それでも全国47都道府県中38位という順位がつく。1位上の37位の福岡とは0.03ポイントの差だ。
 この差に何か教育的意味があるといえるだろうか?
 統計学者や教育学者にもはっきり言ってもらいたい。何の意味もないと。
 最上位の秋田にしても68.23で、平均からの5.98差だから、これは、ほとんど誤差の程度だ。
 むしろ、これだけの範囲に正答率が集まるというのは、日本の公立学校教育の優秀さを示しているといえる。

 文科省や自民党は、生徒の学力向上の施策と言うが、そもそもこの全国学力テストで、何を計ろうとしているのかを国民に周知しているとはいえない。大体、国語と、算数・数学の2教科だけなのだ。これが、学力のすべてなのか? しかも、悉皆調査を復活させたので、1回の調査だけで60億円かかっている。

 北海道教育委員会は、今回のテストに向けて、「全国下位で、悔しくないのか」と生徒に発破をかけた。別に悔しくはなかろう。だって、次のテストは進級して受けることが無いので、自分には関係ないのだから。ポイントの位置を見て、悔しがるのは、委員会事務局と追随する校長会だけだ。

 全国学力テストの本質は、単に政府の政治的意図による順位競争で、教育的意味は全く無い。抽出調査でたまにやる分には、学校にとっては迷惑にはなるが、まあ良いとして、悉皆調査に拘るのは、いずれ学校間競争に持って行きたいからだろう。毎年60億円をテストのために使うよりは、校舎の耐震強化や整備に使ってもらいたいものだ。
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shira

 毎度思うのですけど、このテストが「学力向上」のために復活した一番の理由は、学力低下の確認だったはずです。すなわち戦後間もない頃の全国学力テストと比べれば学力が低下しているだろうという予想のもとでテストが実施されました。ところが期待(?)に反して学力は向上していたことが示されました。この時点で第2回を行う理由はなくなったはずですが、なぜか第2回は行われ、主な話題は都道府県の比較にスイッチしました。こうなるとダムや原発と同じで、止まらない公共工事みたいなもんでしょう。学力向上だの都道府県比較だのは、原子力ムラの皆様が産業がどーたらコストがこーたらというのと同じレベルの恫喝なんじゃないですかね。
by shira (2013-08-28 21:52) 

HIROMI

青森県は小学校で4位でしたけど、公立学校だけなんですよね。学力の高い子が私立へ行ってしまう地域は低くなりますよね…
by HIROMI (2013-08-28 21:57) 

tyuuri

>shiraさん、「日教組組合員の多い県は学力が低い」ことも示したかったんでしょうが、どうにもうまくいかない。それで学力向上キャンペーンという教育委員会の最もやりたい方向へシフトして行っていますね。いずれ、学校間競争まで行くようになるのでは。
>HIROMIさん、全国学テの点数が「学力」だということになれば、そうなるんでしょうね。
>hmさん、niceありがとうございます。
by tyuuri (2013-08-29 17:46) 

tyuuri

>bashyさん、niceありがとうございます。
by tyuuri (2013-08-30 19:04) 

田中 裕二

読売新聞の連載をまとめた
「学力危機 北海道 教育で地域を守れ」(中西出版)
http://www.amazon.co.jp/dp/489115280X/
はお読みになられたでしょうか?
できればご感想などお伺いしたいです。
by 田中 裕二 (2013-09-19 20:00) 

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