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月に三十円 [雑感]

 石川啄木の『悲しき玩具』の中にこんな歌がある。

 月に三十圓もあれば、田舎にては
 楽に暮らせるとー
  ひょっと思へる。

 物価の比較はなかなか難しいが、明治初期には小学校教師の月給が10円だったという。それで家族が生活できたのだから、当時の1円は今の3万円位の価値があったのだろう。
 啄木は、明治45年に27歳で亡くなるが、その前に詠んだ歌の中の30円という願いは、若いときに代用教員として勤務した経験から推測すると、今で30万円くらいか。そうすると、40年間で物価も3倍になったことになる。
 この仮定で、明治初期から40年間の、年平均のインフレ率を計算すると、3の1/40乗を計算すればよいから、関数電卓で叩くと、1.0278と出てくる。2.78%だ。戦争もやっていたから、インフレも進んだのだろう。
 現政権が、また同じ道を進み始めているのが恐ろしい。
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shira

 へえ、明治のインフレ率がまさに2%なんですね。晋三坊ちゃま始め保守を自認する方々は(本物かどうかは?として)明治から敗戦までの時期をひどく崇めるクセがありますけど、まさかここまで計算してのことじゃないでしょうね。
 それにしても。啄木から数学に発展して今日の政治へというお話を、こんな短い記事でまとめてしまうとは。tyuuriさんの文才は恐るべしです。
by shira (2013-06-22 21:11) 

tyuuri

>shiraさん、過分のお褒めにつき汗顔の至り・・・です。ただ、40年で物価が3倍とは凄まじいことです。3000万円で買えた土地付き家屋が40年後は9000万円になるわけですから。同じように給与も上がらなければ生活できません。ちなみに、わたしの初任給は16万円で、30年後大卒の娘の初任給は20万円。1.25倍です。1年で0.75%しか上がっていません。
by tyuuri (2013-06-23 16:18) 

tyuuri

>HIROMIさん、niceありがとうございます。
by tyuuri (2013-06-26 17:58) 

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