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非正規任用教員 [学校]

 以下、時事通信社の報道(2022/05/14)

 教員免許の有効期限を10年と定める「免許更新制」を廃止する法律が成立した。

 過去に取得しながら更新されずに失効した免許も7月から復活する。教員経験のない「ペーパーティーチャー」が教壇に立ちやすくなり、末松信介文部科学相は13日の閣議後記者会見で「周知・広報をしっかり行っていきたい」とアピール。教員不足対策として期待されるが、取得から長期間たつ人も多く、教科の知識や指導法の学び直しがカギとなる。

 免許更新制は10年ごとに30時間の講習を受けなければ失効する。2009年度に導入したが、受講が現場教員の負担となっていたため今年7月に撤廃。全ての免許は無期限有効になり、必須講習の代わりに自主的に研修を受ける仕組みに変わる。

 教員免許は、09年度以前に取得した旧免許と同年度以降の新免許がある。教職に就いていない人は旧免許保有者で推定数百万人、新免許保有者で同数十万人いる。現行制度で期限切れ免許を復活させるには30時間の講習が必要だが、7月以降、旧免許は自動的に復活。新免許も申請すれば講習なしで再取得できる。

 教員不足は危機的状況だ。文科省調査によると、21年度の始業日時点で全国で約2600人が不足。授業が成り立たず自習になったり、現職教員の負担が増えたりしている。同省幹部は今回の制度改正を機に「『せっかく免許があるから(教員になる夢に)再チャレンジしよう』という人はぜひ学校に来てほしい」と呼び掛ける。

 ただ、免許が復活しても採用試験に受からなければ教壇に立てない。教科の知識だけでなく、情報通信技術(ICT)教育や特別支援教育など最新の指導法も習得する必要がある。同省は今年度、オンライン研修映像を作成して教職希望者を後押しする。 引用ここまで

 この報道に欠けているのは、非正規任用教員の存在だ。
 以前は「期限付き教諭」と言って、担任も持つことがある1年未満の任期の教員が多かったが、今は主に時間講師となっているそうだ。教員採用試験には合格していないか、あるいは、そもそも受けていない場合がある。産休・育休・傷病等で欠員となった教員の補充となる教員だ。試験は無く教員免許状さえ持っていれば、教壇に立つことができる。それどころか、今は、その非正規任用教員ですら探すのが大変なのだ。さらに、年度当初から欠員の出ている県が多数あるのも実態だ。そんな現状に後押しされ、教員免許の復活が不可欠になってきて法改正を押しすすめたと言っても過言ではない。かつ、これらの非正規任用教員には研修の機会はまるで無いのだ。この矛盾をクリアするには、非正規任用教員を減らすことと、有給での研修の機会を与えることだ。しかし、どちらもお金のかかることだからか、文科省は、これらの件に関しては一言も言及していない。
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コメント 2

ハマコウ

そうですね。わたしもそう思います。
予算措置をとらなければ
-「『せっかく免許があるから(教員になる夢に)再チャレンジしよ 
 う』という人はぜひ学校に来てほしい」
の言葉に応じてチャレンジしても、がっかりすることにならないかと心配します。

教育改革を、その効果や反省点など振り返ることなく、次々と繰り返したことが今の問題につながっているように思います。
お金を掛けずに、現場の努力に手段を求めることが、多忙化問題を生み出し、教職志望離れにつながったと感じます。
現場の大きな反対を押し切る形で取り入れた免許更新制を廃止することになっても、政治家から失敗したとの言葉は聞かれません。
教員の責任の大きさは、非正規教員の待遇に見合うでしょうか。





by ハマコウ (2022-05-15 11:29) 

tyuuri

 目標は、
 ・給与の引き上げ
 ・定時に勤務を開始し、定時に退勤できる労働環境の整備
 でしょうか。
by tyuuri (2022-05-16 17:52) 

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